シュンラボストーリーズ第1章:第13話 アルバイトでの葛藤その③
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※このストーリーはフィクションです。実体験にインスパイアされてはおりますが、時間・場所・人物の設定等、事実とは異なる場合もございます。予め御了承ください。
小説新人賞に落選したシュンシュンは、
落選と疲労とを抱えたまま接客をしていた際、
ちょっとしたタイミングのずれから焦り、
不用意な言動から御年配客のクレーム沙汰になり、
仲のいいリーダーの安原さんにフォローしてもらう流れになってしまった。
御年配客が怒りを鎮めて去っていった後、
安原さんは≪他のレジをご利用ください≫の立札を置いて、
「大丈夫?」
と心配そうにシュンシュンに尋ねた。
「ええ、何とか。すみませんでした」
「体調悪いの?」
「少し・・・」
「爺やさんに事情を説明して、休憩室で少し休んだら?」
「そう、ですね」
シュンシュンはレジカウンターの背後にあるスタッフルームに入った。
スタッフルームには、レジ業務のマネージャーの古屋さんがいた。
名字も古く、年齢も60を過ぎているので、
皆からは≪古爺や≫という愛称で親しまれている。
彼もまた、仕事ののみ込みの悪いシュンシュンに、
面倒見をかけるタイプの御年配だった。
「おう、シュンシュン、どうした?」
シュンシュンは古屋さんに事情を説明し、休憩を願い出た。
「確かに、お前を見てると最近ちょっと心配でな。3日前の閉店直前時も、包装手伝わないで、ぼんやり接客してたからな」
「すいませんでした」
そう、シュンシュンは、
ちょうど小説新人賞に1次選考にすら通らなかった事実を、
休憩中に文芸誌を読んで知ってしまった3日前の勤務の、
閉店間際のバタバタした状況時に、
もたもたしながらレジ業務をこなしていたら、
新人の女の子が児童書のギフトラッピングをたどたどしくやっている状況に駆け付けることもできずに、
古屋さんから「シュンシュン、頼むよ!」と叱られたのだった。
マイペースなベテラン社員の古屋さんが、
声を大にしてスタッフに叱るのは、極めて珍しいことだった。
「本当に、最近何かあったのか?」
「いえ、別に」
シュンシュンは小説のことは言えなかった。
小説落選を体調不良の理由にするのは言い訳じみていると思った。
いや、とシュンシュンは思いなおした。
むしろ、それが言い訳なんだ。
俺は、
小説に落選してしまった自分自身のことを、
とにかく恥ずかしくてみっともないと感じている。
だから、本当のことを言えないんだ、
とシュンシュンは思った。
そう思ったシュンシュンは、さらに居たたまれない気持ちになった。
「ちょっと・・・」
「ん?」
「その・・・」
「何?」
「しばらく・・・休んでもいいですか?」
「休む?しばらく?」
シュンシュンは顔をあげた。
「はい」
「今日だけじゃないってことか?」
「ええ、はい」
「どのくらい?」
「わかりません」
「わかりませんって、お前。今までだって風邪だの体調不良だので、時々休んだりしてたじゃないかよ。今度は一体全体・・・」
と、古屋さんは声のボルテージが大きくなりかけたが、
シュンシュンの顔色を察して、
「わかった。しばらく休んでていい」
と静かに答えた。
「ありがとうございます」
「気分が戻ったら、連絡を入れてくれればいいからな」
「はい」
こうして、
体調不良の為、
正確には、小説新人賞一次選考不通過による著しいメンタル不調の為、
シュンシュンは、古屋さんから休暇の許可を得たのだった。
この先、シュンシュンはどうなる!?
続きはまた明日。
本日もご覧くださり、ありがとうございました!
シュンクボ(^^♪