シュンラボストーリーズ第1章:第9話 振替輸送乗車と青春の悲哀その②
どうもシュンクボです。
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青春の夢敗れしシュンシュン、
具体的には、
小説新人賞に落っこちてしまったシュンシュン、
もっと正確に厳密に言うと、
某大手出版社の純文学雑誌の小説新人賞に最終選考はおろか一次選考すら通らず落選してしまった有象無象のフリーターのひとりに過ぎないシュンシュン、
そんなシュンシュンは、
仲のよいリョウ君と共に、
普段の通勤電車が、
寄りによって今日という今日のこの日、車両故障になり、
その巻き添えをくう形で、他社線の京〇線に振替乗車するハメになっていた。
「まったく、≪泣き面に蜂≫とはこのことだよ」
と、ヤケになったシュンシュンは、京〇線の快速電車にトボトボ乗り込みながら、リョウ君にこぼした。
リョウ君は「ははは」と小さな愛想笑いで答えた。
「でも、今回ダメならまた挑戦すればいいんじゃないですか?」
と、リョウ君は落ち着いて尋ねた。
「ああ、そうみんな考えるよね。ていうか、そうするよね」
と、どんよりした口調でシュンシュンは答えた。
確かに、よくよく考えてみればそうだった。
いや・・・
よくよく考えるまでもなく、
「一度ダメなら、またチャレンジすればいい」
そう考えるのが当たり前だった。
≪ダメならまた最初からやり直せばいい≫
それだけなのに・・・
≪そう考えを切り替えればいいだけ≫なのに・・・
≪よくよく≫考えてみなければ、そんな当たり前すぎる考えに至らないほど、
今の自分は≪クヨクヨ≫しているのかもしれない。
≪よくよく≫と≪クヨクヨ≫、
この組み合わせ、
なんかダジャレっぽくて面白いな、
くだらないのにウケる、
そう感じたシュンシュンは、アンニュイな声を震わせながら、
「ははは、はははは・・・」
と、妙な空笑いをした。
「でも、落ちたばかりの時は、やっぱ引きずります、かね?」
と、リョウ君はシュンシュンをフォローするように聞き直した。
「うん、そうだね」
と、シュンシュンは小さな声で答えた。
そうだ、そうなんだ。
新人賞落ちたら、また気持ちを切り替えて書き直せばいい。
そんな当たり前な発想を、持とうと思えば出来たのだ。
というか、
落ちた直後は、≪一瞬の間だけ≫持つことが出来た。
「ダメならまた再チャレンジすればいいや」と、
開き直ることができた時も、ちょっとはあったのだ。
でも、
≪次の瞬間≫には、もうその考えを支持できなくなっていた。
落ちた時の絶望感が再びぶり返して、
「またやり直せばいい」という考えが、霧の彼方に霞んでしまうのだった。
「そうだね、引きずっているんだと思う」
とシュンシュンは、重く気だるい唇を開いて答えた。
そうだ、
今の自分は、
引きずったままなんだ、
つまり、
≪気持ち≫が≪考え≫に全然ついていけてないんだ・・・
と、シュンシュンは思った。
今日はこのへんで♪
本日もご覧くださり、まことにありがとうございました!
シュンクボ(^^