シュンラボストーリーズ第1章:第10話 振替輸送乗車と青春の悲哀その③
どうもシュンクボです。
本日もご覧くださり、ありがとうございます!
おかげさまで、シュンラボストーリーズも10話を迎えることができました。
今日も主人公シュンシュンの応援、よろしくお願いします。 笑
リョウ君に
「また書き直せばいいんじゃないですか?」
と聞かれたシュンシュンは考え込んだ。
確かに、落ちた直後は、そう開き直ろうとした時もあった。
けれど、
それ以上に、
あれだけ時間と労力を割き、
思い切って勝負するつもりで挑んだ投稿が、
最終選考はおろか、
一次選考すら通らなかったという現実を目の当たりにして、
すっかり気落ちしてしまったのだった。
だから、またリョウ君から、
「それとも、まだ引きずってますかね?」
とフォローするように聞き直された時、
「うん、まだ気持ちの面で引きずってる」
と返答せざるを得なかった。
「正直、まだ整理がついていない」
「そうですか」
シュンシュンは、あたりをぼんやりと見た。
シュンシュンとリョウ君は、振替乗車のあわただしさの中で、気が付いたら快速電車の優先席に二人並んで座っていた。地下トンネルの轟音だけがやけに響いていた。
「もう、≪趣味のまま≫でいいんじゃないですか」
と、リョウ君がぼそりと言った。
シュンシュンはリョウ君のその一言を黙って聞き流した。
リョウ君は、同じアルバイトの仲のいい先輩や他の同僚たちと、花森安治に感化されて小冊子体裁の雑誌を作ろうと思い立ったり、和辻哲郎に触発されて趣味で小説リレーをやったり、休み時間に趣味で将棋に夢中になっていたりしていた。
確かに、趣味と割り切れれば、リョウ君のように、いろんなことを楽しく仲間内でわいわいできるかもしれない。
けれど、≪趣味のまま≫は、シュンシュンにとっては、≪そのまま≫を意味した。
マイブームのノリでその趣味にのめり込み、
それが飽きればまた別の趣味にハマる、
リョウ君はそういう風に生きていくと割り切れているのかもしれないし、
そういう風に生きるリョウ君を悪いと決めつけることもできなかった。
ただ、
少なくとも、
一つだけはっきりしていることがあった。
≪そのまんま東≫の人生は面白いかもしれないけど、
≪そのまんまシュンシュン≫
の人生は間違いなく面白くない!
「リョウ君、俺、≪趣味のまま≫はイヤだ。もう少し粘ってみるよ」
「そうですか」
と、シュンシュンにリョウ君は穏やかに応じた。
続きはまた明日!
本日もご覧くださり、まことにありがとうございました!
シュンクボ(^^♪