シュンラボストーリーズ第1章:第71話 霊視鑑定士はお酒がだ~い好き♡
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※シュンラボストーリーズは自伝的フィクションです。シュンクボ自身の体験談にもとづいてはおりますが、時間・場所・登場人物などの設定が、関係者のプライバシーを考慮した都合上、実際の事実とは異なる場合もあります。予めご了承ください。
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〇前回までのあらすじ
小説が落選し、将来に対する強い不安を抱いたシュンシュン。知人の紹介で、未来が霊視できる鑑定士にコンタクトをとり、鑑定士のいるオフィスビルの相談室を訪れるが、相談用紙に内容を記入して読み取ってもらうと、鑑定士佐古山は「よくわからない」という旨の適当な診断を下す。シュンシュンが意をとなえると、「まあまあもっと気楽に♬」と、さらにテキトーなノリで、相談室の棚から一升瓶を取り出し、グイっと一杯飲みほした。
シュンシュンは唖然とした。
佐古山は相談がまだ始まって間もないのに、
お酒を一升瓶丸ごと取り出し、グイグイ飲み干し、
「あ~、真っ昼間の一杯は最高だねこりゃ♬」
と一瞬、新橋のサラリーマンの親父口調になったかと思うと、
「もっと気楽にいきましょうよ~。さぁシュンシュンさんも一杯♪」
とシュンシュンに一升瓶の酒口を差し向けた。
まさに開いた口が塞がらないとはこのことである。
これが未来が霊視できる鑑定士!?
あのカリスマビジネスコンサルタントのミスターオセアニアからご紹介いただいた、
本業アパレル会社重役の凄腕霊能師!?
そんな馬鹿な・・・
シュンシュンはそれでもまだ何かわけがあるのかもしれないと思い、
じっとこらえ、
「あの~。正直申し上げますと、私は下戸でして・・・」
と言ったが、
「あ、そうなの? ならもういっか~」
そう言って佐古山はさらに一杯なみなみと日本酒をつぎ、
グイっと一杯グラスを口元におあるようにして飲んだ。
もう日本酒というより、ウォッカを飲むような飲み方だ。
「まあ最近はさあ。本業もレセプションやら何やらで忙しいし、昨日はクライアントが午後ずっと入りずくめでたまっちゃっててさぁ。何か、飲まなきゃやってられないってヤツ? わかる、シュンシュンさん、この気持ち? わかる?」
「は、はぁ、そうですか(*´Д`)」
「まあ、今日は幸い、シュンシュンさん1人だからいいんだけど」
「よ、よかったですね・・・」
なぜ俺がこの人の愚痴を聞かなければならないんだろう・・・
相談したいのはこっちの方なのに・・・
一体どっちが相談者なんだかわかったもんじゃない。
「繰り返しになるけど、今日の相談者はシュンシュンさん一人だからね。一人なんだからね。 ホント、シュンシュンさんが特別に一人なんだからね♡」
「は、はい、わかってます」
佐古山はシュンシュンがだんだん苛立っているのをこらえているのにも構わずに、グラスにつぎからつぎに日本酒を注いではあおり、注いではあおりを繰り返した。
「一人」という言葉を連呼しているのは、おそらく、アルコールでろれつがちょっとずつ回らなくなりはじめているからなのだろうか?
気が付いたら、一升瓶の中の日本酒も残りわずかになっていた。
シュンシュンは佐古山の顔を見た。心なしか、いがぐり頭の佐古山の顔面が、赤くなってきている気がする。
佐古山はシュンシュンを、
まるでトトロがさつきやメイの顔をじっと見つめるように、
じっと見た。
「な、なんですか!?」
「なんか、よく見ると、アタシのタイプかも・・・♡」
「えっ・・・」
コミュ障のシュンシュンは、この期に及んでようやく、
佐古山のセリフの語尾の「~」や「♡」の意味と、
「一人」という言葉を佐古山が連呼した意味を悟ったのだった。
今日はこのへんで(*^-^*)
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シュンクボ(^▽^)/